さて、昨日、今シーズンの四国ブロック大会が開催されました。場所はいつもの高松e-とぴあかがわ。
当然のごとく、お手伝いに行ってきました。もう何回目のブロック大会かな。ずいぶん長くなりました。
今回はライトプライマリ12チーム、ライトセカンダリ4チーム、オープン3チームのブロック大会でした。
スタジオの中は例年の30cm底上げのBコートではなく、足腰に優しい机の上のコートでした(おかげで一部磁場が大変だったようですが、まあみんな条件は同じですから)。
私はオープンを担当。チームは、M Robots, チームKAIDA, さぬきUDON! もう何度見たことか、というくらいのいつもの面子です。が、他のブロックから見ると相当豪華な面子ですね。ここではジャパン以上の世界が基準です。
動きはさすが。超高速かつ高精度の制御、ドリブルキックフル装備、ピカピカ光る電飾?と制御インターフェースも充実したM Robotsのロボット達。もう電子好きの大人達は見てるだけでよだれが出そうなマシンたちです。いや別にうさぎがおいしそうな訳じゃなくって...一つ一つの技術がすばらしい、のです。本当に全国のロボカッパー達は、彼らのマシンを一度でいいから見て、彼らと一度でいいから話をして、あの頂点を目指してほしいと思います。
同じく香川ノードの老舗さぬきUDON!は、新しいチームメンバーを迎え、果敢にオープンで勝負です。ブロックを突破するためには必ずM Robotsとの対戦がある、なんと贅沢な環境。古参メンバーの方はこだわりのレゴから新たにスマートな超高速ロボットを作ってきていました...が、前日に大波乱があったようで...修理に追われて調整が間に合わず、なかなか実力を発揮できない状態でした。そんな中、新メンバーが1台でがんばっていました。ライトリーグなら相当な戦闘力がありそうなロボットでしたが、まだアウトオブバウンズ対策が間に合っていないようで、オープン強豪の重量高速ロボットは見逃してくれません...でもこの経験を活かして、あの強豪を基準に来年のリベンジを待っています。
さて、愛媛からはいつものチームKAIDA。あれ、兄は昨年高2だったはずなので、今高3、絶賛受験生のはず、ですが、普通にブロック大会に来ています。そういえば、弟君も同じ学校なので、翌日から中間テストのはず。そんなことは関係なく、普通に一日試合をしてるだけじゃなく、ノード大会の時1台しかなかったロボットが2台になってました。もう8年もロボカップをやってるようで、頭の中でハードもソフトも出来上がっていて、作業さえ済めば普通にロボットが形になって、大会で初めてコート上で動かしても、M Robotsのマシンと互角のスピードと反応をする強力ロボットになるみたいです。さすがにもうすぐジュニア卒業?です。貫禄さえ漂っているように見えました。ロボットとしてはほんの少しの差だと思いますが、完成度と試合中の隙の差なのでしょう。やはりM Robotsは簡単に倒せないようでしたが、印象的だったのが、本人が今年の試合が一番楽しかった、と言っていたことです。あの試合ができることを、楽しい、と感じるのはたいしたものです。ぜひ、たくさんのロボカッパー達にもそういう気持ちを味わってほしい、勝ち負けよりも自分で充実した経験といえるかどうか、を考えてほしい、と思った一日でした。
今回はオープンが3チームだけだったので、試合の合間にライトの試合も見学できました。
セカンダリは昨年圧勝だったAtlasからチーム再編でKATTCHANと合体した愛光ロボコン部チームが全勝で優勝しましたが、昨年よりも他のチームの成長が著しく、僅差の試合だったようです。対応力と後輩の成長が部活チームの強みなのでしょう、最年長メンバーはブロック3連覇達成です。2年前の体験教室出身の伊予侍もノードを勝ち抜いて2年ぶりのブロック出場。ノードでは1台が2輪マシンでしたが、年明けからもう1台をオムニロボットにバージョンアップして参戦しました。自作床センサも作成し、頑張って作ったロボットでしたが、先週はまだセンサが不安定な未完成状態でした。ところがブロックでは見事2台とも戦闘力を発揮。ロボットの完成が直前になったため、増設したボールセンサの扱いや床センサを使ったアウトオブバウンズ対策が間に合わず、また普段が磁場のいいコートでできているために磁場環境の悪いコートでの対応に慣れていなかったのか、ちょっと苦戦でしたが、完成したロボットの実力を引き出すプログラムができれば、いい戦いができると感じました。メンバーも今回の経験が随分刺激になったものと思います。終わった後、いい顔してましたから。
プライマリは愛媛からは2チーム、raccoonと旧STARチームのメンバー兄弟のGIANT KILLINGです。こだわりのドリブラー搭載2輪マシンのGIANT KILLING、ノードのときは外していて、先週まだ動いてなかったドリブラーが見事に完成して、バックしながらのドリブルと振り返りシュートができるようになっていました。残念ながら高速オムニマシンだらけの四国ブロック、なかなかの苦戦で9位と、惜しくも決勝T進出を逃しましたが、来年の進化がとても楽しみです。
そして2年連続ジャパンと既に愛媛の強豪となったraccoon、昨年のジャパンで悔しい負け方をしたようで、1年間リベンジを誓って一生懸命ロボットを作ってきました。最初のキットからサブ基板自作、基板CADと感光基板への挑戦、Arduinoと回路の勉強、実験を繰り返して、外注基板にもチャレンジし、ライトプライマリとしては最強クラスのロボットを完成させました。プレゼンシートも見事。ブロック参加チームのメンター/保護者が驚きと感心をもって見ていました。ロボットの制御にはまだ隙と甘さがあるものの、全試合危なげなく、拮抗した試合でもここ一番でキッカーのロングシュートが炸裂し、見事全勝の完全優勝でした。そういえば昨年は決勝Tの途中で愛媛対決で敗れましたので、初優勝!です。ほんと、よくがんばりました。試合の合間にロボットを囲んでみせてもらっているたくさんのロボカッパーと「大人たち」。たくさんの人が驚きをもって見るようなロボットに自信を持って、そのロボットの全性能を引き出すプログラムを完成させてジャパン制覇に挑んで下さい。2年ほど前のロボット講座から今回3チームがブロック大会に出場して活躍してくれました。うれしいのと、彼らに続く子どもたちが待ち遠しいなあ、と思えたブロック大会でした。
毎年、大会に顔を出すたびに、ロボットに一生懸命取り組む子どもたちをたくさん見てきました。こんな恵まれた環境でロボット活動ができることを存分に活かして、たくさんの経験を持ち帰ってくれていると思います。最初の頃に出会った選手達は、既に成人し社会人になっている子もいます。ロボカップの経験を人生に活かしている先輩達がたくさんいます。
そんな卒業生達を見て思うこと。努力は決して嘘をつかない。中途半端で後悔しないよう、全力で取り組んで下さい。
そして、メンター/保護者は、それをあたたかく見守ってあげて下さい。イライラに耐えるのはつらいですが、子どもたちが自分で悩んで壁を乗り越えた経験だけが子どもたちを大きくすると思います。